相見歓巻一《銀漢飛渡》

非天夜翔 相見歓 日本語訳 第16章ー第20章

第16章 難を逃れる: チィチは黙り込んだ。李漸鴻は段岭を抱いて壁にもたれ、目を閉じて瞑想し、再びの逃亡に向け、夜が明けるのを待った。段岭はうつらうつらした後、目が覚めた。李漸鴻の懐に抱きついていたが、目が覚めて最初に目に入ったのは、ずっと眠…

非天夜翔 相見歓 日本語訳 第11章ー第15章

第11章 血縁: 名堂を卒業する最後の日、大先生は子供たち一人一人に青龍石を渡した。青龍石には、遼文字と漢字でそれぞれの名前が刻まれており、表には漢字印、裏には遼文字印がつけられていた。「これは玉衡山で産出された石だ。大先生は庁堂の中央に座っ…

非天夜翔 相見歓 日本語訳 第6章-第10章

第6章 すっぽかし: 「天地玄黃、宇宙洪荒。日月盈昃、辰宿列張。寒来暑往、秋收冬藏。閏餘成歲、律呂調陽……。」 頭を振りふり、朝読書の時間に、名堂からもらった《千字文》を唱和し始めて半月がたったころ、段岭は大半の文字を読めるようになっていた。先…

非天夜翔 相見歓 日本語訳 第1章ー第5章

巻一 銀漢飛渡(天の川をも飛び越えて): 序章 雪は満ちる弓や刀に: 風雪荒れ狂う千里の雪原の中、長蛇のようにうねうねと続く数千もの騎馬軍が、山をも動かす勢いで、一人の武将を追いかけて行った。武将は黒い鎧に身を包み、跨る駿馬は既に鼻や口から血…